平成という一つの時代が終わった。
新元号が令和に決まり、5月から新たな時代が始まった。
振り返れば「国の内外、天地とも平和が達成される」という意味を込めた平成は、思いとは程遠く、未曽有、想定外という言葉が冠につく大災害が多発し、受難の時代だった。
「地球がおかしい。」誰もがそう思っているに違いないが、その原因のひとつと言われている「温暖化」という言葉のイメージからは、それほど性急な課題を突き付けられているような気持ちにはならないのも不思議だ。
しかし「温暖化」から「熱暑化」「炎暑化」という言葉を用いれば、忽ちこのままでは大変なことになりそうだという危機感が湧いてくるものではないだろうか。
今こうしている時にも世界各地で干ばつによる飢餓や洪水などの自然災害が頻発しており、ここ数年の国内をみても今まで経験したことのない豪雨、炎暑、台風が連鎖して災害規模を増幅させている。
運の良さだけで大災害から免れているが、東京は真夏に炎暑・熱暑に見舞われ、容赦なく照りつける強烈な日差しがコンクリートのビルを温め、舗装道路は焦げ付くような熱さになり、夜になっても一向にクールダウンすることのない、まさにヒートアイランドとなる。
堪りかねて建物内の室温を下げるために一斉に使われるエアコンの室外機からは、50℃を超える熱風が吹き出し、都会の猛暑を増幅させる。
人が造った都市を人が創った設備で冷やすという不思議な悪循環を生みだしてしまったのだ。