涼を求めて国内屈指の避暑地として歴史を刻んできたはずの軽井沢の別荘でも昨夏の暑さは尋常ではなかったという話を聞いた。

 この際だから断言できるのは、今までの家づくりを踏襲しているだけでは、そこで暮らし、利用する人がもたないのだ。建物の断熱の外皮性能を向上させ、室内の温熱環境を整える技術が必要不可欠となったのではないか。

 軽井沢は、国際的な生活文化の融合や先端をいく人々の交流など、国内ばかりではなく、海外にもつながっているような場所だ。だからこそ、そのような地域で日本の温熱環境のレベル向上を情報発信できるまたとない機会があるはずだ。

 しかしながら、残念なことに著名建築家を始めとした多くのデザイナー達によって意匠性だけを求め、奇を衒っただけの建築が増え続けている。こんな建築は朽ち果てるのも早く、環境に適合した建物とは言い難いものだ。

 「デザインと温熱環境の融合」を実現し、軽井沢から日本の温熱環境技術を向上させていきたい。そのような思いがある建築家や建築事業者の輪が広がることを祈りたい。


2019/10/21(月) 14:43 清水康弘より PERMALINK COM(0)

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