「頭寒足熱」
足元がポカポカ暖かく、頭の周辺は心地よい温度。
昔から快適にさらに頭をスッキリ働かせるのには理想的とされる室内温熱環境とされてきた。
しかし、昔ながらの木造スカスカ住宅の冬の住まい方といえば、隙間ヒューヒュー、足元寒々、頭の周りは暑くなる不快な空間である。
一方、夏は地球温暖化の影響で、外出するのも危険なほど高温が続き、今までの夏とは異なる呼称をつけたくなるような炎暑が続く。
このように時代遅れの住宅技術と気候変動が相俟った中で、居室内で「暑い」「寒い」と感じる快適性の指標とはどのようなものか。それは、
1.空気の温度
2.空気の湿度
3.人体周辺の気流速度
4.室内の表面温度
5.人の活動量
6.着衣量
の6つと言われている。
温度や湿度、気流については何となくイメージがつくが、表面温度とは聞き慣れない言葉ではないだろうか。
室温や湿度が快適域であっても、床、壁、天井の表面が冷たいと放射で熱を奪われ、寒さを感じる。例を挙げると、真冬に大きな窓から冷気が伝わってきて、背中が「ゾクッ」とするような感覚を経験したことがあると思う。
また反対に夏は冷房を効かせて室温を下げても床・壁・天井の表面温度が高ければ、表面から発する熱気が伝わり暑さを感じる。
人の活動量や着衣量については、言わずもがななのでその調整は人それぞれだが、環境側の4要素については建築的な手法で整えることは十分可能である。
この4要素を整えるには、建物の断熱性能と気密性能を高めることが必須となる。
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