話はずれるが、私は建築士や施工管理技士などの資格を持っていない。
大学を卒業した瞬間から、建設資材の商社に勤め、その後私自身の仕事ぶりを面白がってくれる人脈に刺さり、誘われるままに建築関係のサブコンや住宅事業者などの仕事を渡り歩いた。
大学で建築を学ばなかった分、独学でその知識とOJTを通して肌で習得してきた。
このような経歴が幸いして建築にのめり込み過ぎないことが自分の個性だと思っている。
もちろん建築物に対しての好き嫌いはあるが、自分自身がデザインビルドをしないことから、経営的視点が相俟ってクライアントにとって良い建築なのか否かを考える癖が宿ったようだ。
このような思いが強かったので、極力自社設計・施工の仕事を中心に事業展開することを心掛けていたつもりだ。
軽井沢に進出して数カ月後のことである。
それまで感じなかった建築の可能性を強く意識することとなる運命的な出会いがあった。
それは建築家堀部安嗣さんとの出会いである。
2016年以降、目黒区と杉並区で堀部さんが設計した住宅の施工を請負い、ご本人とも接する機会が増え、その一言一言が自分の中に眠っていた建築の可能性を呼び覚ますようだ。
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