住宅建築は製造業に近い生業だと、意匠よりも性能や品質に拘りをもって会社を運営してきたが、ここ数年間で運命的な出会いがあった。
その方は、吉岡賞や建築学会賞の受賞歴もある建築家堀部安嗣さんだ。
3年前に兵庫県で開催された里山博というイベントで堀部さんと再会した。
後日、堀部さんから電話をいただき、神楽坂にある事務所を訪ねることになった。
話の多くは住宅の温熱環境、とりわけ断熱の性能レベルをどの程度にするのが適切かという内容だった。
実は断熱性能については、様々な流派がいて、多くの持論が展開されている。
例えば北海道発の高気密高断熱派やヨーロッパ発の考えをベースに住宅の燃費性能を追求する流派、さらに地域の気候風土に最適な性能を説こうとするパッシブデザイン派などである。
堀部さんが本格的に温熱環境のデザインに取り組み始めると、いろいろな流派がいて、少し戸惑った様子だった。
私にも考え方を聞かれたので、手前味噌ながら当社の取組みについてお話させていただき、今のところ正当よりも最適解を求め続けていることをお話しさせていただいた。
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