さる9月28日、シンガポールで世界を驚かせたイベントが開催されたのは皆さんご存じですか?
1950年の初開催という歴史あるモータースポーツ、その一つがF1(Fomula One)ですが、このF1史上初めての「ナイトレース」なるものでした。
それは世界中の誰もが初めて目にする美しくて幻想的な光景ながら、どうも素直に喜べない複雑な想いで見ていました。
自動車のナイトレースと言えば、有名なところでは毎年6月にフランスで開催される「ル・マン24時間レース」がありますが、今回のF1はそれとは比べものにならない演出が用意されていました。
まず、シンガポール市内のマリーナ・ベイ・サーキットは100%公道です。
普段は公共の生活・産業道路として、自動車やバス、自転車などが通行している道路を一時的にF1グランプリのサーキットとして使用するのです。
しかも午後8時スタートのナイトレースです。
気になる照明ですが、そもそもF1カーには車載ライトが備わっていません。
そこで、コースとピットレーン全体を、4m毎に高さ10mの照明によって照らすという発想に至ります。
2000ワットのハロゲンライトを1500機で照らされる3000ルクスという明るさは、通常のスタジアムの4倍の明るさという、昼間と比べても遜色のない程の明るさだということです。
美しいシンガポールの夜の街中を、F1カーが轟音を響かせて疾走する様は、非現実感が漂い、国家挙げての観光イベントとしては大々成功だったようです。
しかしながら、人工的な照明に頼った安全性の確保とエンターテイメント性の演出、その両立の為にどれほどの「CO2」を排出したことでしょう!?
巨額を投じながらも、世界の省エネルギー潮流には間逆のイベントだったことは間違い違ありません。
私も物心ついたころから大好きなF1レース観戦ですが、今回のシンガポールの(わざわざの)ナイトレース企画には、どうも腑に落ちないものがありました。
皆さんはどう思われましたか?
いくら世界的エンターテイメントとは言え、環境に対する配慮や危機感が希薄なのは如何なものかと・・・。
数年後にはソーラーパネルを積んだ電気仕掛けのF1カーが、太陽光が降り注ぐ日中にのみ無音で疾走するという光景になるかもしれません(泣)。
AKINOBU FUKUDA
※上記写真は、
http://www.boston.com/bigpictureより転載しています。
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