月曜日の朝日新聞にとっても気になるコーナーがあります。

そのコーナーは「朝日歌壇」といいます。

読者投稿の短歌コーナーです。

そこに登場する「ホームレス・公田耕一」という人がとても気になっています。

「公田耕一」 本名かペンネームか、それもわからない謎の人物です。

昨年末の登場から、毎週のようにホームレス生活を詠った作品を投稿し、たびたび入選しています。

12月8日の初投稿初入選作

・(柔らかい時計)を持ちて炊き出しのカレーの列に二時間並ぶ

そのほかの入選作

・パンのみで生きるにあらず配給のパンのみみにて一日生きる

・日産をリストラになり流れ来たるブラジル人と隣りて眠る

・鍵持たぬ生活に慣れ年を越す今さら何を脱ぎ棄てたのか


選外ですが…

・美しき星空の下眠りゆくグレコの唄を聴くは幻

・百均の「赤いきつね」と迷ひつつ月曜だけ買ふ朝日新聞

朝日歌壇は月曜朝刊に掲載されています。カップ麺をがまんして朝日新聞を買っている姿が目に浮かびます。


ついには2月16日には、朝日新聞側から

公田さん何とか連絡とれませんか。あなたが手にすべき入選一首につきはがき10枚の”投稿謝礼”も宙に浮いているのです。

と呼びかけることになりました。

そして…3月9日の朝日新聞によると

その公田さんから、「返歌」が届いたというのです。

<ホームレス歌人の記事を他人事(ひとごと)のやうに読めども涙零(こぼ)しぬ>


そして、この歌を記した投稿はがきに丁寧な文字で添え書きがあったそうです。

「皆様のご厚意本当に、ありがたく思います。が、連絡を取る勇気は、今の私には、ありません。誠にすみません。」

最近朝日歌壇にはこの公田さんを思う歌や、自らを公田さんに重ねた歌なども沢山登場しています。

私は、特別短歌が好きというわけではありません。この公田さんの歌を探して短歌欄を楽しみに待ち、そして他の方の歌も読むようになりました。

短歌って時代を反映しているし、とっても面白いです。

朝日新聞の読者の方は是非、ご覧ください。

月曜朝刊の「朝日歌壇」です。

詳しくは以下のasahi.comのページをクリックしてご覧ください。

2月15日の 秀歌連発のホームレス歌人へ 「連絡とれませんか」

3月9日の  ホームレス歌人さん返信「連絡とる勇気、ありません」
2009/03/10(火) 15:37 渡邉泰敏より PERMALINK COM(0)

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