前回もこのブログで触れました、遅れてきた本命「長期優良住宅」についての続報です。

本年の6月4日に施行が予定されているこの「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」ですが、その技術的な認定基準が徐々に明らかになってきました。

ちょっとカタイ話しで恐縮ですが、現在私が把握している内容をお知らせしたいと思います。


まず、長期優良住宅が満たすべき4つの基本性能です。

①劣化対策 【等級3】
数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること。
②耐震性   【等級2】
極めて稀に発生する地震に対し、継続利用のための改修の容易性を図るため、損傷のレベル低減を図ること。
③維持管理 【等級3】
構造躯体に比べて耐用年数が短い内装・設備について、維持管理(清掃・点検・補修・更新)を容易に行うために必要な処置が講じられていること。
④温熱対策 【等級4】
必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること。

これらの他にも、「可変性」「住戸面積」「住居環境」など、幾つかの性能に関わる認定基準が明らかになってきました。


また前回のブログで、「維持保全に関する計画書の形式が定まっていない」ともお伝えしましたが、これについては今のところ明確なアナウンスはありません。
ただ、法案から読み取れる内容としては以下の通りです。

⑤維持保全の方法(維持保全計画の策定)
建築時から将来を見据えて、定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること。
その維持保全計画(点検の時期・内容)に記載すべき項目は・・・
・構造耐力上主要な部分
・雨水の浸入を防止する部分
・給排水の設備
上記について、少なくとも10年ごとに点検を実施すること・・・となっています。


皆さん、如何でしょうか?
国はこの法律の運用をもって、「住宅の長寿命化」を本気で推し進めようとしているのが分かりますよね・・・。

いよいよ、そのモデル事業の意味合いが大きい、当社の『200年住宅』が今月竣工を迎えます。
この200年住宅の完成見学会は3/22(日)に実施予定ですので、是非皆さんの目で確かめてみてください!!

2009.03.11 AKINOBU FUKUDA
2009/03/15(日) 09:53 福田明伸より PERMALINK COM(0)
政府は去る2月10日、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の施行日を、6月4日とすることで閣議決定しました。
『200年住宅』というキャッチフレーズの下に、法案が成立してから約半年・・・。
世界的な不況の嵐と、前福田首相の退陣のタイミングも重なって、当初の理念が失われつつあるのではないかと懸念されましたが、いよいよ「住宅の長寿命化」と「良質なストック形成」へ、我が国も大きくシフトしていくことになります。
まさしく、優良住宅『元年』です!!


この制度に適合した住宅は、不動産取得税や固定資産税などの税負担軽減の優遇、最長50年ローンの優遇など、取得段階や維持段階の両面から配慮される予定です。

それでは、この制度の骨子を見ていきましょう・・・。

まずは、「長期優良住宅」に認定してもらう必要があります。
・耐久性・耐震性・可変性・維持保全の容易性など、技術認定基準に適合すること
 →長期優良住宅の技術的基準は国が定めます
・建築主が維持保全に関する計画を作成し、それを所管行政庁が認定する
 →都道府県知事や市町村長の認定を受ける必要があります

次に、「定期点検と補修・交換」などで維持管理していくことが求められます。
・住宅の維持管理記録を作成・保存する
 →長期優良住宅としての認定時の書類、また完成後の定期点検記録などを管理していくこと
・中古住宅の流通を促進していく
 →住宅履歴書を活用して資産価値を維持しながら、中古価格を下げない仕組みづくり


しかしながら、鳴り物入りで登場したこの制度ですが、現時点では未決定の部分が多くあります。
・「技術認定基準」が未だ示されていない
・「維持保全に関する計画書」の形式が定まっていない
これらのガイドラインが定まり、実際に運用されるのは、今年の秋頃になるのではないかと言われています。
となると、早くて来年1月以降の引き渡し!?

まだまだ準備期間がある訳ですが・・・
私共もその対応策として、技術的基準を固めつつあります!!

これから家づくりを考えておられる皆さん、是非「長期優良住宅」を検討してみては如何でしょうか・・・。

2009.02.14 AKINOBU FUKUDA

※国土交通省HPより画像転載 http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/index.html
2009/02/20(金) 14:10 福田明伸より PERMALINK COM(0)
新たな有害物質の呼び名!?・・・いえいえ違います。
先日インターネットを閲覧していた妻が、イタリアのニュースサイトを見ていて、日本の大学でこんな論文が発表されていた・・・と教えてくれました。

ヒトとイヌの絆形成のメカニズム解明
『ヒトとイヌの交流においてイヌからの注視が飼い主の尿中オキシトシンを上昇させる』

そう、タイトルの「オキシトシン」という聞きなれない単語は、人が分泌するホルモンの名称だそうです。
1月早々、随分と個人趣向の話題で恐縮ですが、このリリース文章に妙に納得してしまった私です(苦笑)。


以下、神奈川にある麻布大学の獣医学部 動物応用科学科 特任助手の永澤美保さんという方の論文の概要です・・・。

『ヒト-イヌのような異種間での社会的絆の形成との関連についての生物学的根拠はこれまで、ほとんど明らかにされてこなかった。
オキシトシンは動物の社会的な絆の形成において非常に重要な役割を担っているホルモンであり、ヒトでは信頼感やストレス軽減作用などが知られている。
本研究では、イヌからヒトへの愛着行動を示していると考えられる"イヌからの注視"に着目し、イヌとの交流後にヒトの尿中オキシトシン濃度が上昇するかどうかを調べた。
イヌとの自由な交流の前後における飼い主の尿中オキシトシンを比較したところ、"イヌからの注視"から始まる飼い主-イヌ間のやりとりの回数が多い飼い主では、尿中オキシトシンの増加が認められた。
このことから、イヌからの注視がヒトの絆ホルモンとしてのオキシトシンを上昇させ、ヒトとイヌの絆形成に役立っている可能性が示された。』

今まで科学的な根拠が無かったにせよ、愛犬家の方は確信がありましたよね~(笑)。
「アニマル・ヒーリング」とか「ドッグ・セラピー」とか・・・。

昨年の4月から、NHKの英語学習番組として放送されている「リトル・チャロ」は欠かさず視聴しています・・・この歳になって(汗)。
その私が、この週一の放送を、未だかつて見逃したことが無いというその効果は、『チャロのオキシトシン効果』以外の何物でもありませんネ(笑)。

2009.01.11 AKINOBU FUKUDA

※NHKエディケーショナル~リトル・チャロの部屋~より画像転載  http://gogakuru.com/charo/
2009/01/17(土) 10:57 福田明伸より PERMALINK COM(0)
皆さん、新年明けましておめでとうございます。
リーマン・ショックに象徴される激動の年だった2008年も、あれよあれよと過ぎ去り、あっと言う間に新年を迎えた感がありますね~。
年末年始の休暇もあっと言う間に過ぎ、いよいよ今年も始動です!!

昨年前半は資源や穀物が高沸し、ガソリン、食品、工業製品など、日常生活に影響を与える程、さまざまな物価に価格転化された年でした。
そして、後半はアメリカ発の100年に一度と言われる金融危機の到来で、その世界的波及が懸念されつつ・・・今年を迎えた訳です。

既に、そんな不況感漂う年頭ですが、今年は大きな社会システムの変革が訪れます。
そう、何と言っても5月から始まる「裁判員制度」です。
平成16年5月に法律が成立後、約5年の準備期間を経ていよいよスタートする訳で、こと国民のみならず法曹界にとっては大変革の年になります。

大変革と言えば、私たち住宅・建築業界も、量から質への転換を図るべく、2000年以降目まぐるしく新たな法律の成立や改正が行われてきました。

2000年:住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)の施行 【10年保証のスタート】
2003年:シックハウス法の成立
2006年:住生活基本法の成立 【国が量から質への転換を示す】
2008年:建築基準法の改正 【建築確認の厳正化】
2008年:建築士法の改正 【構造一級建築士・設備一級建築士の制度化】
2008年:住宅瑕疵保険責任履行確保法の成立 【10年保証の保険を義務化】
2008年:長期優良住宅促進法の成立 【200年住宅の仕様公開・家歴システムの運用開始】
2009年:建築確認4号特例の廃止予定 【すべての建物に構造計算が必要に!】

そして品確法の施行から10年目にあたる今年、いよいよその流れも集大成を迎えることになります。
この10年、住宅業界は法案への順応と運用に試行錯誤してきました。
・・・が、それら施策が全て整うであろう今年、われわれつくり手の課題は、不況を克服する「営業力」でも何でもなく、本当の意味で「よい家」を提供できるか否か、そんな本質的な企業姿勢が問われているんだと強く強く思います。

そんな今年の私の課題・・・
「安全・安心の技術・性能」の追求
「あなたらしく美しい暮らし」の追求
・・・この家づくりの理念を極めること!!です。

ちょっと堅いあいさつになりましたが、新年のごあいさつに代えさせていただきます。
愛犬の写真と共に(苦笑)。

皆さん、本年もよろしくお願いいたします。

2009.01.04 AKINOBU FUKUDA
2009/01/04(日) 10:56 福田明伸より PERMALINK COM(0)
最近、ふと時間が空いた時に、一人で映画館に向かうことにしています。

仕事柄、「空間」や「平面」のデザインには接するものの、映画はそんな世界とは全く違う分野。
何と言っても、エンターテイメント性、メッセージ性が映画の魅力の一つです。
私にとっても、スクリーンで映画を鑑賞している時間はリラックスできる特別な時間です。
そんな折、動物ネタに反応して(笑)、「ブタのいた教室」という映画を見てきました。
妻夫木聡さん主演のこの映画。
既にご覧になられた方も居られるかもしれませんね。

この映画の題材は、黒田恭史さんという方が、大阪の小学校教師だった時代に、実際に担任した子ども達とブタを飼った日々の出来事だそうです。
その黒田先生は、いのちの教育の一環として、みんなで豚を飼い、その豚をみんなで食べることで「食育」を考えたとのこと。

今の私たちだってそうですが、毎日食している肉の流通を知らない。
いや、知りたくないと思っているといった方が近いかも知れません。
知ってしまうと食べれなくなるのを恐れている!?
ましてや、今の子供たちは何をかいわんや・・・です。

結局、Pちゃんと名前をつけられたこの豚は、家畜ではなくペットとして32人の生徒に飼われます。
これが後々、辛い決断を迫る結果になる訳ですが、ともかくみんなで一生懸命育てます。
そしてついに、当初の約束だった「みんなで育てた豚をみんなで食べる」日がきます。
それは、6年2組のみんなが小学校を卒業する直前。

クラスのみんなでPちゃんのことを話し合う・・・。
みんなで泣きながら真剣に討論します。
「下級生に引き継いでもらう」
「でも下級生に引き継いだら、苦しいこの問題の先送りにしかならない」
「食べるのは残酷」
「農場に引き取ってもらう」
等々・・・小学生の子ども達が、必死で言葉を探して議論する。

ここで結末を書くのは避けますが(苦笑)、そんな、Pちゃんを食べるか?食べないか?を生徒たちが議論している際中に、ある女の子の発言が心に響きます。

「先生、誰がPちゃんの命の長さを決めるのですか?」

ここで私も堪え切れず涙がポロポロと・・・・(泣)。

小学生程度のお子様がおられるご家族での鑑賞をおすすめしたいですね~。
もちろん、大人も鑑賞にも耐えうる奥の深い映画です。

そうそう、人目を気にせず、「泣ける」のも一人映画鑑賞の特権ですね(苦笑)。

2008.12.06 AKINOBU FUKUDA
2008/12/25(木) 10:55 福田明伸より PERMALINK COM(0)
先日、ビルボードライブ大阪という冠名になってからは、初めての来場を実現。

ブルーノート大阪だった時代には、「インコグニート」のUK JAZZに惚れ。
「ボズ・スキャッグス」の渋いAORに酔い。
「アースウィンド・アンド・ファイヤー」のファンキーさに心打たれたもんです(笑)。

そして、今回は『デイビッド・T・ウォーカー』という、今年67歳のオジさんに会いに行ってきました。
つい最近まで、この人の音楽(というかギターの音色)を意識して耳にしたことはありませんでした。
たまたま、3枚のアルバムがCDとして復刻。
なんとすべて1970年代に発表されたもの。
そのうちの1枚、甘美なジャケットをまとう「オン・ラブ」を視聴した瞬間・・・もう虜に(笑)。

ギターを弾かれる方や、SOUL音楽の愛好家にとっては、既に神々しい存在なんだということを知りました。

そのデイビッドおじさんのソウルギターが、生でそれも大阪で聴ける!!
噂では『ギターが唄う』とまで耳にしていたので、ギターを弾かない私も、それはもうワクワク。

ピアノ、ドラム、ベース、シンセサイザーの面々が、デイビッドおじさんを囲むように・・・。
そして主役はSOULギターを持って真ん中に鎮座。
・・・なんかカワイイ。

しかし、演奏が始まるや否や。
それはまさしく、SOULフルで、R&Bで、AOR!!
ファンキーで、グルーヴで、何てエンターテイメントなんだ・・・。

ボーカルが居ないグループ編成ですから、もちろん唄もありません。
でも、私にも『ギターが唄っている』ように聴こえて仕方がありませんでした。
そして無意識のうちに、自分がニコニコ顔になっていくのも分かります。
約75分ほどの短かい時間ながら、ライブホール全体には至福の時間が流れていました。

終始、小錦似のピアノの黒人さんが最初から最後まで笑っていたのが印象的です。
また、ギター・テクニックうんぬんは私には分かりませんが、デイビッドおじさんが、それほど大きくはない体全身で「楽しい!!」を表現していたのが、今もこの目に焼き付いています。

演奏を聴いている(見ている)だけで、こんなに幸せな気持ちになれるなんて・・・。
今まで経験したことのない感覚でした。

『心に響く音楽』

そう、この言葉がぴったりなんです!!
みなさんも機会があれば、是非ともこのデイビッドおじさんの音楽を聴いてみてください。

私のモットー、「いい家にはいい音楽が似合う」。
でも、事務所のBGMも当分コレですね(笑)。

2008.11.29 AKINOBU FUKUDA
2008/11/26(水) 20:50 福田明伸より PERMALINK COM(0)