3月7日の毎日新聞よりの引用です。

 住宅の建築確認関係の書類を偽造して使ったなどとして、浜松市は、積水ハウス浜松支店に勤務していた2級建築士の男性(49)を有印公文書偽造・同行使容疑で浜松中央署に刑事告発した。告発は2月25日付。

 市によると、建築士は07年4月~08年8月、市内の住宅8件について、市長名義の「適合証明書」を偽造して、確認申請書に添付。民間の審査機関に提出したとされる。

 また3件では、確認申請書の副本を偽造して、確認申請したように装って工事を進め、審査機関の検査を受けないまま引き渡した疑いも持たれている。

 市は同社が03年以降に請け負った1041件を調査し、10件で偽造が確認された。建て替えや撤去につながる違反はなかったという。

 同社は建築士を今年1月13日に解雇した。建築士は偽造を認めているという。同社広報部は「業務管理体制を抜本的に見直す」とコメントしている。


この記事はこちら  → 毎日jp 3月7日地方版:書類偽造

私にはいくつか素朴な疑問があります。

本当にこの男性以外、社内ではだれも知らなかったのでしょうか?

確認申請提出時だけでなく中間検査や完了検査時にもお金が必要です。お金が会社から出るはずです。お金が出なければでないでおかしいと気づくはずですし、お金が出ていたとしたら領収書等がないとおかしいと思うのではないかと思うのですが…。

積水ハウスでは、立て替えなければならないような違反はしていないとして、確認済み証などを再取得した。ということらしいのですが、

私はこの建築業界で長く仕事をしていますが、既に建築が終わって完成している建物の確認済み証が再取得できるなんて話は始めて聞きました。

さすが積水ハウスなんでもできるんですね。

私は建築確認申請は建築工事に先立って行うものだとばかり思っていました。

念のため調べてみました → 建築確認(けんちくかくにん)

建築基準法に規定された建築手続の一つで、建築主が建築物の着工に先だって、その建築物が建築関連法規に適合しているかどうかについて…。


これが小さな工務店や設計事務所の物件でも完成後、確認済み証を再取得できたのでしょうか?

私はとても大きな事件だと感じましたので、テレビなどでどのように報道されるのか、関心をもって見守っていました。

しかし私はまだテレビ報道は目にしていません。

私が気がつかないだけでしょうか?それとも私が感じるほど大きな事件では無いということでしょうか?
2009/03/16(月) 17:50 渡邉泰敏より PERMALINK COM(0)
昨日は、「改正省エネ基準と住宅事業建築主基準の解説講習」という長い名前の講習会を受講するために、東京へ行ってきました。

今回の改正のうち、戸建て住宅に関係しそうな内容は、主にこれまで省エネルギー化が消極的であった建売住宅の業者(年間150戸以上の戸建て建売住宅を供給する業者が対象)に対して省エネルギー性能の水準(達成率)を定める。施行は平成21年4月1日から。

目標水準(5年後の目標値) → 「次世代省エネ基準相当の断熱性能の住宅+標準的設備」の一次エネルギー消費量を10%削減した値

ここで対象となる設備は、暖冷房設備、照明、給湯、換気、(太陽光発電設備)。

評価については、目標水準にたいする達成率で評価し、供給した住宅の平均で達成率を算出するということです。つまり、全棟達成しろといっているのではなく平均でいいですよ、と言う事です。

5年後の目標としてはレベル低すぎだと思いますが、それだけ建売住宅のレベルが低いということなのかも知れません。

面白かったのは、支援ツールの算定ソフトです。やはり根拠となっている数値等のベースは自立循環型住宅でした。

これを使って、家電製品では一般的になっている「トップランナー制」が住宅でも始まるということです。

対象となっているのは、150戸以上の建売り業者ですが、対象とはならない注文住宅メーカーや工務店がこの算定ソフトを使って省エネ達成率を計算したら面白いと思います。

「この住宅は省エネ達成率は○○%です。」なんて表現がチラシに乗る日も近いのでしょうか?

算定用プログラムは4月1日から専用ホームページで上で使えるようになるそうです。

専用ホームページの開設に先立ち、算定用Webプログラムβ版が公開されているそうで、そのURLを教えていただいたので、近いうちに自社の実物件で算定してみようと思います。
どのくらいの達成率になるか楽しみです。

外壁の透湿抵抗比の話や、屋根断熱は透湿抵抗比・小屋裏断熱は移流分を考慮する等、テキストも充実していました。

防湿層ならびに通気層を除外できる条件等の記載もあります。

本当にこれで良いの?と思えるところもありましたが、テキストは盛りだくさんでなんと351ページもありました。

ゆっくり読んでいろいろ考えてみようと思います。

とても面白い講習会でした。しかも無料でした。すばらしい。
2009/03/13(金) 10:00 渡邉泰敏より PERMALINK COM(0)
月曜日の朝日新聞にとっても気になるコーナーがあります。

そのコーナーは「朝日歌壇」といいます。

読者投稿の短歌コーナーです。

そこに登場する「ホームレス・公田耕一」という人がとても気になっています。

「公田耕一」 本名かペンネームか、それもわからない謎の人物です。

昨年末の登場から、毎週のようにホームレス生活を詠った作品を投稿し、たびたび入選しています。

12月8日の初投稿初入選作

・(柔らかい時計)を持ちて炊き出しのカレーの列に二時間並ぶ

そのほかの入選作

・パンのみで生きるにあらず配給のパンのみみにて一日生きる

・日産をリストラになり流れ来たるブラジル人と隣りて眠る

・鍵持たぬ生活に慣れ年を越す今さら何を脱ぎ棄てたのか


選外ですが…

・美しき星空の下眠りゆくグレコの唄を聴くは幻

・百均の「赤いきつね」と迷ひつつ月曜だけ買ふ朝日新聞

朝日歌壇は月曜朝刊に掲載されています。カップ麺をがまんして朝日新聞を買っている姿が目に浮かびます。


ついには2月16日には、朝日新聞側から

公田さん何とか連絡とれませんか。あなたが手にすべき入選一首につきはがき10枚の”投稿謝礼”も宙に浮いているのです。

と呼びかけることになりました。

そして…3月9日の朝日新聞によると

その公田さんから、「返歌」が届いたというのです。

<ホームレス歌人の記事を他人事(ひとごと)のやうに読めども涙零(こぼ)しぬ>


そして、この歌を記した投稿はがきに丁寧な文字で添え書きがあったそうです。

「皆様のご厚意本当に、ありがたく思います。が、連絡を取る勇気は、今の私には、ありません。誠にすみません。」

最近朝日歌壇にはこの公田さんを思う歌や、自らを公田さんに重ねた歌なども沢山登場しています。

私は、特別短歌が好きというわけではありません。この公田さんの歌を探して短歌欄を楽しみに待ち、そして他の方の歌も読むようになりました。

短歌って時代を反映しているし、とっても面白いです。

朝日新聞の読者の方は是非、ご覧ください。

月曜朝刊の「朝日歌壇」です。

詳しくは以下のasahi.comのページをクリックしてご覧ください。

2月15日の 秀歌連発のホームレス歌人へ 「連絡とれませんか」

3月9日の  ホームレス歌人さん返信「連絡とる勇気、ありません」
2009/03/10(火) 15:37 渡邉泰敏より PERMALINK COM(0)
本日の朝日新聞に以下のような記事が載っていました。

太陽光発電の「固定価格買い取り制度」が、10年度から日本でも導入される。経済産業省が24日、家庭で発電したのに使い切れなかった電気を今の2倍の1キロワット時当たり約50円で、電力会社に買取を義務づけると発表した。


この固定価格買い取り制度は『フィードインタリフ制度』と呼ばれ、ドイツで太陽光発電を一気に普及させることとなったことで有名です。かつては太陽光発電の家庭での導入世界一だった日本がドイツに抜かれたのもこの制度をドイツが採用したからだと思います。


環境のことも考え、お客様にお勧めしたいと思っていても、なかなか元の取れない太陽光発電はお勧めしにくい時もありました。しかし15年くらいで元が取れるようになるのであれば話は大きく変わってくると思います。

政府は、太陽光発電の導入量を20年に現状の10倍、30年に40倍にするといっています。経産省が1キロワットあたり7万円の補助金を今年の1月から復活させたこともあり今後太陽光発電が一気に普及しそうな予感がします。皆さんも太陽光発電検討されてみては如何ですか?

ちなみに、電力会社のコスト増加分は、太陽光発電設備のない家庭の電気料金に上乗せされる予定で、一般家庭で毎月今より数十円から100円程度上がると見ているそうです。

2009/02/25(水) 16:51 渡邉泰敏より PERMALINK COM(0)
本日、富士市立岩松中学校で中学一年生を対象に話をしてきました。

学校からの依頼は『職業講話』です。

身近な職業に関心を持ち、その職業の内容を理解すること、自分の将来の展望に役立てることを目的にしているそうです。

私のほかに、地元富士ニュースの記者、介護福祉士、パティシエ、獣医、機械器具販売会社、JAの方合計7名がいろいろな部屋で講話をしました。

第一回講話が13:30から14:00まで、生徒が移動して第二回講話を14:30から15:00まで行いました。

生徒に聞いたところ、7箇所の内、希望のところ2箇所で話を聞くようになっていたようです。

私は当然工務店の仕事の話をしました。

最初、「工務店ってどんな仕事をしているか知っていますか?」と聞いたところ約40人の生徒がいたのですが、残念ながら工務店の仕事を知っている生徒は一人もいませんでした。

こうして2回話をして、質疑応答の時間に2回とも聞かれたこと…

「年収はいくらくらいですか?」

どう答えればよいか、答えにちょっと困りました。

それより困った質問がありました。

「今の建築の仕事をしていなかったら、どんな仕事をしたいですか?」

「今の仕事をやめようと思ったことはありませんか?」

うーむ!?

二つとも今まで一度も考えたことがありませんでした。

ちょっと考えて、「今の仕事をやめようと思ったことはありません。違う仕事も考えたことはありませんが、建築以外の仕事をするとしても、何かものづくりに関わる仕事をしたいと思います。」と答えるのがやっとでした。

後日、生徒の感想文を送っていただけるそうです。

私のつたない話を理解してもらえたか?楽しみに待ちたいと思います。

講話が終わって事務所への帰り道…

好きな仕事に出会え、好きな仕事を続けていられることにとても感謝しました。

少しでも生徒の役に立てば…と思い、お受けした『職業講話』だったのに、結局は自分が気づかされ、そして勉強になった一日でした。
2009/02/12(木) 17:47 渡邉泰敏より PERMALINK COM(1)
昨日大掃除をして、弊社は仕事納めでした。

今年は本当に忙しい一年でした。

ゴールデンウイークは、無謀にも超長期先導的モデル(二〇〇年住宅)と省CO2に自社単独で応募するための作業で仕事…。

お盆も、全建連が採択された超長期先導的モデル申請のため仕事…。

自社単独で申請した超長期、省CO2は採択されませんでしたが、その課程があったので、全建連が採択された超長期の申請はスムーズにできました。

省CO2の応募にCASBEEが必須だったので、CASBEEにも取り組む事ができました。その後のCASBEE戸建て評価員試験に簡単に合格できたのも、この応募でCASBEEを理解できていたからだと思っています。

世間では不況が叫ばれていますが、お蔭様で今月3棟新築住宅のご契約も頂きました。

現在打ち合わせ中のお客様も多く、来年も忙しい年明けになりそうです。

こうして沢山の仕事をいただけているなかで、今年一年終われることを嬉しく思います。

来年も皆様の期待を裏切らぬよう、一棟一棟大切に仕事をしていきます。

皆様、一年間お世話になり大変有難うございました。

心より御礼を申し上げます。

それでは皆様、良いお年を…。
2008/12/28(日) 11:58 渡邉泰敏より PERMALINK COM(0)